中学の頃に知った看護の力
私が中学生のころに父が手術をしたのですが、不安な気持ちの私に看護師さんがかけてくれた「大丈夫よ」という一言で、スーッと心が軽くなり安心したのは印象的でした。そのことをずっと記憶にとどめていたわけではなかったのですが、高校時代に進路を考えていると、ふとその出来事を思い出し、看護師になるという選択を考えるようになりました。そして生涯働けるような手に職をつけたいという思いもあり、看護師になろうと決意しました。
患者さんのことを考える姿勢を大切に
看護師になって印象に残っているのは、ある寡黙な男性患者さんのことです。話しかけても会話が続かず、どう接していいのかわからなくて、今何ができるのか、何を求めておられるのかを常に考え、悩みながら受け持ちをしていました。その後、その方は亡くなってしまったのですが、奥さまから「主人は看護師さんが来てくれるのが楽しみだと言っていたわ」という言葉を聞き、ホッとしたのを今も覚えています。このことから、患者さんのために何ができるかを常に考え、五感をフル活用し、意思をくみ取る姿勢が大切だと学んだように思います。
気づける訪問看護師になりたい
これまで私は、がん患者さんの治療の場で看護をしてきましたが、状態が悪く、やっとの思いで通院される患者さんもおられ、ご自宅でどんな生活をされているのか気になっていました。そんなことから訪問看護に興味はありつつ、自分がするとは思っていませんでした。しかし、ななーると出会い、目指すものを持つ看護師がイキイキ働いていること知り、自分もここなら成長できる気がして、チャレンジしたいと思いました。
訪問看護は自分一人でご自宅に行くため、自分がその方の可能性に気付かなければ前に進めず、気づくことができたらサポートは広がっていくのだと思います。アセスメントする力を養って、利用者さんが望む生活に近づけられる方法を考えたいと思います。