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病院でお酒飲んだらあかんの?と思える人を募りたい

新たな年を迎え、もう10日が過ぎようとしています。今週は、いつも教えをいただいている、看護師の大・大先輩とお会いして、当ステーションがめざしている看護について話そうとしていたのですが、いつのまにか大先輩の体験談に花が咲いていました。

看護師はもっと普通に考えないと・・・

DSC01142長年、大きな病院で看護部長をしてこられたその方は、いつも看護の体験談を語ってくださるのですが、今回も考えさせられるお話でした。

ある時、がんの患者さんが、痛みと苦痛でふさぎ込み、眠剤も効果がなく、眠れない日々を過ごしておられたそうです。若いころからお酒が大好きだったという話を聞いていたので、その先輩はバッグに缶酎ハイを忍ばせて病室に行き「寝る前に飲んで。誰にも内緒ね…」と言って手渡したそうです。翌朝訪室すると「昨日は久しぶりにぐっすり眠れたよ」と、いい顔色で笑顔を見せてくださったとか。

そんな話をしながら「患者さんは”人”なのだから、もっと普通に、もし自分だったらどうしたら眠れるか?を考えなあかんのよ。好きなことを我慢して病気と闘うだけが選択肢じゃない。看護師はこの患者さんに何が大事かを考えて医師とも戦わないとあかん」と。

病院でお酒飲んだらなんであかんの?

ブログ1218私はこの行為の裏にある勇気に感銘を受けました。組織人としての行動に対する是非は別として、患者さんが言いたくても言えない希望、病院ではタブーとされる行為を実現させる勇気を見習うとともに、常に「普通の感覚」を忘れないようスタッフに伝え続けようと思いました。

「病院でお酒飲んだらなんであかんの?」と言えるような感性を持つ看護師を募り、「患者さんのしたいこと」の実現に全力を注ぐ看護とともに、患者さんも気づいていない「したいこと」を一緒に見つけ、ただ生きるのではなく、生きることに楽しみ見出し、“活きる”ことを支える看護を目指したいと、改めて思っています。


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