引き取った母は、我が家でどんどんふさぎ込む
父が他界したことを機に、高齢で膝が悪い母を大阪の自宅に引き取りました。私も妻も仕事の関係でどうしても大阪を離れられないため仕方がなかったとはいえ、県外に出たことがない母を大阪に連れて来たことで、とても混乱させることになり後悔しました。
子どもは独立しており、日中私と妻は仕事に出ているので、家で1人きりの母。夜に顔をあわせれば、元の家に戻りたい、友達に会いたいと言ってばかり。「1人では寂しいだろうから」と、母を引き取ることを提案してくれた妻も、「本当にこれでよかったのか?」と悩むようになりました。そして次第に、母と妻は顔を合わせてもほとんどしゃべらなくなってしまいました。
看護師さんのおかげで口数が増える
1人で外出する事もないため、デイサービスを提案しましたが拒否。地域のお年寄りが集まるコミュニティにも、「人に馴染めない」と、全く興味を持ちません。そんな時、同級生に訪問看護ステーションについて教えてもらい、利用してみることにしました。
はじめは「私はどこも悪くないから看護師さんに来てもらう意味がない」と言っていましたが、看護師さんに来てもらって健康チェックを受けて世間話をするうちに、どんどん口数が増えました。
訪問看護が入る日は安心
今では週一回、決まった曜日・時間に看護師さんが来てくれることが励みになり、どんな話をしようか、楽しみに待っているようです。一緒に住んでいるからそれでいい、というのではなく、話し相手が必要だったとわかりました。
険しかった表情も穏やかになったので、訪問看護が入る日は夫婦ともに安心して仕事に出かけられます。