悔いが残らない看取りをすることができました

がんの末期でも入院を好まない父

末期肝臓がんで何度も入退院を繰り返してきた父。血管造影しながら抗がん剤を注入する治療をやっても、また肝臓の別の部分にがんが出来て、そのたびに同じ治療を受けることになります。
先生からは治療を繰り返すうちに肝臓の機能自体がどんどん落ちて、最終的には治療が出来なくなると言われていたので覚悟してきましたが、腹水がたまり、全身がだるそうにしている父の姿を見ているのは、とても辛かったです。

何とか父がわが家で過ごせるように

入院していると常時看護師さんが居てくれるし、先生にもすぐに連絡できるので、家族としては安心です。でもそれと、本人の気持ちとはまた別。外泊の予定があるときに迎えに行くと、とても嬉しそうにしているのに、そろそろ病院に戻るとなると、とても寂しそうな表情になるので、母も私も罪悪感と無力感を味わうことになりました。
「何とかして、父が家で過ごせるようにできないだろうか?」地域医療連携室のスタッフさんと相談した結果、訪問看護を利用することにしました。看護師さんは全身状態のチェックや苦痛を取り除くケアをしてくれるので、父自身も家族も安心して居られたようです。

納得のいく最期だったと思う

残り少ない時間にやってあげられることはないかと聞くと、看護師さんに「昔の写真を見ながら思い出話をするだけでも、ご本人も奥さんも慰められますよ」とアドバイスをいただき、そういう時間を持てるように関われました。
食事に関しても、栄養バランスを考えて神経質になり過ぎるところがありましたが、「ご本人が食べたいものの中から選んでも大丈夫ですよ」と看護師さんに言ってもらえたので、その時の気分で食べれそうなものを仕事帰りに買って届けてあげることが出来ました。
最期は自宅では難しくてホスピスで看取りましたが、振り返ると、自分たちに出来ることは全部やったと、納得のいく最期だったと思っています。