幼いころからの憧れが覆された新人時代
看護師は幼いころからの憧れで「白衣の天使」を夢見てこの職業を選びました。しかし現場に入ってイメージは逆転!!救急の現場に配属されたこともあり、殺伐とした中で時間との戦いで、先輩は怖くて「もう無理だ…辞めたい」と思ったことは数え切れませんでした。
それでも続けてこられたのは、一命をとりとめた患者さんが頑張って回復される姿に励まされていたからだと思います。意識状態が悪く「痛い」としか言葉を発しなかった方が、転院時に私の名前を呼んでくれた時の感動は、今も心に残っています。
「もっと自由に生きてほしい」という気持ちから
急性期の病院で経験を積んだ私は、有料老人ホームで働く機会を得ました。恵まれた環境で豊かに暮らす高齢者にも、認知機能が低下したり、疾患の悪化や老衰によって身体機能が低下したり問題が生じます。そんなとき「これからの生き方」そして「最期の迎え方」の選択をする場面で、制約のある施設の中では選択肢が複数与えられていないという、モヤモヤした気持ちに苛まれました。もっと自由に生きてほしいし、もっときれいに命を終えてほしいという思いから、自宅ではそれが可能なのだろうか?という疑問が生まれ、訪問看護に興味を持つようになりました。そして、訪問看護にチャレンジしようと思ったのです。
諦めている思いを惹きだしたい
ななーる訪問看護ステーションに来て驚いたのは、全員が訪問看護未経験から始めたというのに、看護師たちは自信をもってイキイキ仕事をしていることでした。また、依頼に従って援助を行うという姿勢ではなく、「この人に今、何が必要か?」と常に考え、新しい情報をキャッチしながら行動しているポジティブな看護の姿勢に魅力を感じました。
ななーるの一員になった今、利用者さんの思いを汲んで、その方が「出来ないだろう」と諦めていることを惹きだせるかかわりを大切にしたいと思います。そして、それをチームに伝え「どうしたら出来るだろう?」と知恵を出し合うことで実現に向かえるように、利用者さんとチームに貢献したいと思っています。
佐々木早苗(看護師)