重度心不全の方のQOLを支える

これまでの経験

循環器専門病院で数年間働いた後、看護を勉強しなおしたくて大学院に進学。研究や教育を面白いと感じるようになり、大学教員として数年働きました。今は訪問看護の実践をしつつ、招へい研究員として研究も継続しています。
研究テーマは、心不全治療のための生活上の制約とその人らしい生活との折り合いをつけるための看護支援について。訪問看護は未経験でしたが、病気とともに生活する患者さんや家族に対して、相手の生活の場に入り込みながら看護してみたい!と思い、ななーるに入職しました。

臨床の現場と研究とをつなぐ

実践と研究を並行している自分の役割は、臨床の現場と研究とをつなぐことだと思っています。自分の強みは、看護の理論や研究から生まれた知見やエビデンスを学んできたこと、それらにアクセスする方法を知っていること、状況にふさわしいエビデンスを選んで日々のケアに活用していけることだと思います。
反対に、日々のケアでの問題や課題を新たな研究の種として拾い上げて、課題解決のための研究につなげられることも強みだと思います。

在宅での心不全緩和ケア

今後増加する高齢心不全患者さんの在宅療養や緩和ケアに力を入れていきます。
第一に、セルフケアを支え、症状増悪時に早期に治療につなぐことを支えます。訪問看護師の強みである生活の場に入り込みながら個々の生活に沿ったセルフケア方法を一緒に考えたり、症状増悪を早期に捉えて治療につないだりすることで、心機能低下や長期入院による弊害を予防します。
第二に、利用者さんや家族が大事にしたい生活や思いに沿いながら意思決定支援を行います。第三に、心不全によって生じる心身の苦痛な症状を緩和し、利用者さんやご家族のQOLを支えます。

埋め込み型補助人工心臓装着患者へのケア

埋め込み型補助人工心臓を装着した利用者さんやご家族への訪問看護にも力を入れていきます。
身体的な合併症予防だけでなく、自分の心臓の代わりである機器の管理をする責任、致死的な合併症への不安、常時の見守りを引き受ける家族の負担感などの精神面・社会面へのケアも力を入れていきます。

千葉大学大学院看護学研究科博士後期課程修了
大阪大学医学部保健学科 招へい研究員