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⑦むずかしくなった近所づきあい

夫は左半身に麻痺がありトイレなどに行くには不自由がありました。トイレの介助にも手が掛かります。一時期は体重が80キロほどありましたので私が一人で支えることも困難でした。本人が手すりを伝って一人でトイレに行けるまで歩行機能は回復していましたが、それでも間に合わずに廊下や布団が汚れてしまうことも一度や二度ではありませんでした。しかし、そんなことは看護師の経験をしていた私にとってはそれほど大きなことではありませんでした。私がなんとかすればそれでいいのですから。

紙オムツをしていても無意識にトイレに流してしまうこともありました。マンションの10階に住んでいましたので、トイレが詰まれば下の階にも迷惑を掛けることになり、そうなるとわが家だけの問題ではありません。

また、デイケアに出掛ける日は、マンション1階のエントランスまでお迎えがあるので、私がエレベーターホールまで介助しながら連れて行くのですが、当然ご近所の方にも会うこともありました。すでにコミュニケーションがとれなくなっていましたからあいさつもしません。それどころかいきなり暴言を吐くこともありました。かと思えば機嫌の良いときは阪神タイガースや大相撲の話題を話しかけたりしました。不思議なことにタイガースと相撲の話題だけは選手や力士の名前や順位や成績のことは間違えずに話せるのです。近所の方にとっては迷惑だったと思います。デイケアのスタッフからの苦情と同様にそんなことが私には気が重くなる出来事となっていきました。

 

 


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